top of page
検索

筋トレの勧め

執筆者の写真: 物性理論物性理論

運動好きの研究者は多い。学生時代、K教授の研究室に行くとテニスの相手をさせられる、という噂(ほぼ真実)があったり、分子研にいたときは、意味もなく走りまくる団体(怒られそうだ)があったり、つくばには研究所をまたがったサッカーチームもあったようだ。湯川秀樹先生もソフトボール大会で張り切りすぎて足の骨を折ったことがあるらしい。山形大学にも自転車に乗って峠を越える人たちがいる。スポーツの魅力は、軽い苦痛とその先にある達成感だろうか。プロではないので軽い苦痛、で十分。上述のK教授は定年間際にテニスをしていて転倒して骨折した。くれぐれも無理は禁物。もうひとつ、スポーツは考えることが多い。速く走るには、長距離走るには、というのもそうだし、球技なら瞬間的に判断しないといけないこともある。研究者がはまる理由もわかる気がする。

私の趣味はベンチプレス。つくばに住んでいた時に通っていたスポーツクラブに日本代表にもなったインストラクターがいて、いろいろ教えてもらいながら重量を上げていった。寝っ転がってバーベルを挙げるだけ、のシンプルな運動なんだけど、結構奥が深い。30代だった当時、60歳くらいの米屋を引退したおじいさん(その年齢に自分が近づいているのが怖い)が良いライバルで、小柄ながら米俵を担いだと自負する体はなかなか立派で、どちらが先に100㎏を挙げるかを競っていた。お互い95は挙がっても100の壁に跳ね返されていたが、最後は若さで私がおっちゃんをうっちゃった記憶がある。山形に来てからは、ほとんど運動はせずに、たまに体育館のトレーニング室でスミスマシンを使って胸トレをするくらいだったのだが、コロナでトレーニング室が使用禁止になると完全に運動不足で体重増加の一途をたどった。このままではまずいと一念発起し、まずはダンベルセットを買って挙げてみたのだが、ダンベルは重量を上げると、スタートポジションまで持って行くのがそもそも難しくなる。せいぜい片側30㎏までが限界で、それ以上はケガをしそうで怖くなり、ついにベンチプレスができるセットを購入した。ベンチプレスはバーがラックにかかっているのでスタートポジションに持って行くのは楽。ただし一人でやって潰れてしまうと悲劇的なので、安全バーが必須。やってみるとやはりベンチプレスは楽しい。最近はYoutubeにもいろんなベンチプレス動画があがっていて勉強になるようなならないような情報がたくさんある。体形によってもレベルによっても、そして最近は特に年齢も上がってきたので、動画を真似てもだめで、最後は自分で考えてメニューを組まないといけない。長期ブランクもあってなかなか100㎏まで戻すのに時間がかかった。今となってはコロナ禍も終わりトレーニング室も使えるようになってしまった。でも、スミスマシンとフリーのベンチプレスでは全然違うので現状には満足。これだけ長い間続くということは、自分に向いている運動なんだと思う。筋トレ全般に言えることだが、研究者は筋トレに向いていると思う。やみくもに重いものを持っても筋肉はつかない。どうメニューを組むかが大事。筋トレマニアの動画を見ると、この熱量と知識を違うことに生かせなかったのか、と思う。これで飯が食えるのなら余計なお世話だが。



 
 
 

Comments


©2019 by 山形大学物性理論研究室. Proudly created with Wix.com

bottom of page