山形大学物性理論研究室

​研究概要

私の研究は、相互作用する多粒子系を量子力学の原理に基づいて記述することです。物性物理における相互作用には、電子間クーロン相互用と電子格子相互作用があります。相互作用は物質の状態を大きく変化させます。例えば、従来型の超伝導では電子格子相互作用に引力の起源があり、高温超伝導ではクーロン相互作用に引力の起源があると考えられています。これらの相互作用する多粒子系を精度よく記述することは物質設計においても重要になります。私は格子のコヒーレント状態表示を用いた共鳴ハートリー・フォック法を用いて断熱近似を超えた多粒子系の高精度波動関数の構築を行っています。

プロフィール

  • 平成元年 東北大学理学部卒業

  • 平成6年  京都大学大学院理学研究科博士課程修了​ 京都大学博士(理学)

  • 平成6年  分子科学研究所PD

  • 平成7年  高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所助手→助教

  • 平成18年 山形大学理学部准教授

  • 平成23年  山形大学理学部教授

研究プロジェクト

基底状態からdynamicsへ

非断熱共鳴ハートリー・フォック法

フェルミ粒子系の波動関数はスレーター行列式の重ね合わせによって表現されます。通常、重ね合わせるスレーター行列式の数は膨大で、精度の高い波動関数を得ることは難しい問題です。共鳴ハートリー・フォック法では、複数のスレーター行列式に独立した軌道を用い、変分法に基づいた最適化を行うことで、少数のスレーター行列式で高精度な波動関数を構築することを可能にしました。また格子のコヒーレント状態表示とスレーター行列式の直積を重ね合わせることで、格子の非断熱的量子ゆらぎを記述することも可能になりました。この手法を用いて、ポリアセチレンが格子の非断熱的量子ゆらぎにより金属化することを明らかにしました。この計算はポリアセチレンのパウリ帯磁率と赤外吸収のドーピング依存性を矛盾なく説明することができます。今後は他のポリマーについても格子の非断熱的量子ゆらぎの効果を明らかにしていく予定です。

非断熱共鳴ハートリー・フォック法をdynamics計算へ

現在、科研費基盤(C)の支援を得て、非直交スレーター行列式とコヒーレント状態の直積を用いた時間発展計算の手法を開発しています。まだここでは書けませんが、この手法が実現すれば、電子と格子の非断熱的時間発展を目に見える形で記述することが可能になります。

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