Marvelous Marvin Hagler 追悼
- 物性理論
- 2021年3月16日
- 読了時間: 2分
もっとも完成形に近いボクサーと言われたMarvelous Marvin Haglerが66歳で逝去した。ちょっと早いなあ。Haglerはアマチュア時代の実績もなく、全く無名な状態から、全く無名なジムから一つずつステップアップして、世界タイトルを獲得したのは54試合目という苦労人だ。タイトル獲得の瞬間は跪いて感激していたが敵地のためリングにはゴミが投げ込まれセコンドに抱えられながら退場した。彼はその後ミドル級のタイトルを12度も防衛するのだが、タイトルを取るまでの苦労が身に染みていたのか常に、俺はまだまだhungryでangryだ、と言っていた。
Haglerの試合はどれもすごいのだが、中でも野獣と言うニックネームを持ったジョン・ムガビとの試合が一番印象深い。ムガビは(記憶が確かなら)元々Jr. ミドル級のボクサーで、全試合KO勝ちで世界ランク1位に上り詰めたのだが、あまりに強かったので、1階級あげてミドル級のHaglerと当たることになった。その方が10倍以上のファイトマネーを獲得できる、と言うのが一番の理由だったんだと思う(プロモーターもその方が圧倒的に儲かる)。Haglerはこの頃ようやくビッグマッチに恵まれて稼ぎまくっていたし、ムガビも自信満々で負ける気なんか微塵もなかった。
案の定、試合が始まるとムガビは眼光鋭くHaglerに襲い掛かるが、Haglerも応戦しどっちに転ぶか分からないような序盤になった。が、ラウンドが進むにつれ徐々に形勢はHaglerが有利になっていき、ムガビの眼から輝きが消えていった。どれだけパンチを出しても相手にダメージを与えることができず、自分だけが消耗していることに気づきだしたのだろう。Haglerと戦った相手によくみられる症状で、試合中に恐怖の表情が浮かびだすのだ。そして最後はHaglerのKO勝ちで終わる。
ボクシングには人生が映し出されていると思う。どれだけ入念に準備をし、勇敢に戦うか。しかも蛮勇ではなくファイトプランを信じて戦うか。Haglerはデビュー後2度負けている。いずれも再戦で勝利しているが、私は、負けている、と言う経歴も好きだった。背伸びして負ける経験も大事だと思う。ボクシングから学ぶことは多いと思う。時に人生はファイトだ。Marvelous Marvin Haglerの冥福を祈る。

Comments